猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
それを見た私は、近くの大人を呼びに──
行ったりはせず、つかつかと直接三人の方に歩いていく。
そして……
「お兄さんたち、その子嫌がってますよ?」
女の子に触れている男たちの手をがしっと掴んだ。
男たちは一緒に私の方を見て、不快そうな顔をする。
「あ?」
「誰だよ?邪魔すんなよ。……ってあれ、よく見たら君もなかなか可愛いね~!」
「うおっ、確かに!80点ってとこかな♪なになに、君も俺らと遊びたいの?」
不快そうだった男たちの顔は、私の顔を見てしだいにニヤニヤとした表情に変わっていく。
私は、学校では「マイナスイオン!」なんて言われて面倒なことになる笑顔をわざと浮かべて言う。
「そうですね、ぜひ遊びましょう」
「お、何だノリ良いじゃん80点ちゃん!じゃーどーする?とりあえず……」
赤髪の男の人の言葉は最後まで続かなかった。