猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
「ごめんね、今日は友だ……じゃなくて、彼氏と来てるから」
な、慣れない!「彼氏」って!慣れない!ていうかちょっと恥ずかしい……!
外村さんは、「あ、そっか……カレシ……」と一瞬微妙な表情を浮かべる。
「えっと、じゃあせめて連絡先を交換しませんか?日を改めて……とか、ご迷惑かな?」
こんなに上目遣いで可愛くお願いされて、断れる人なんているのだろうか。否、いるわけがない。
「もちろん!交換しましょ!」
「やったっ!あの、もしよかったら葉澄ちゃんって呼んでも良いかな……?わたしのことも茉莉花って呼んで!」
可愛い可愛い可愛い!
これは、モテるだろうな。
……それこそ、柳沢くんみたいなイケメンと並んだらお似合いなんじゃないかな。
ちらりとそんなことを思ったとき、ちょうど声がした。
「ハス、お待たせ」
「あ、もしかしてカレシさん来た?……じゃあ、また連絡するね、葉澄ちゃん」