猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め



「外村茉莉花ちゃん……は、柳沢くんの友達?昔の知り合いみたいなこと言ってたし」


「小学校と、あと中学校も少しの間同じだった。……ごめん、それ以上は言いたくない」


「そっか、わかった」




はっきりと線を引かれた感じがした。

茉莉花ちゃんとの関係に踏み込まれたくないのかもしれない。




「柳沢くん、参考書選び付き合ってくれたお礼に、アイスでも奢るよ!」




空気を変えたい。

そう思った私はちょうどアイスの店を見つけたので言ってみた。だけど、漫画を買ったせいでだいぶ軽くなった財布を思い出して言い直す。




「あ、待って、アイスは高いからやっぱりジュースで!」


「良いよ別に無理しなくても。前も妙に高いマシュマロくれたし、どうせ金欠なんでしょ?」




お見通しのご様子で。

とはいえ言い出した責任もあるので、カップで出てくる自動販売機のカフェオレを一杯だけ買った。




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