猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め




「なんて、ごめんね。上手くいってるなら余計なことだよね。ただ、人ってそう簡単に変わらないから、ちょっと心配になっただけ」




茉莉花ちゃんはそれだけ言うと、表情を和らげてスプーンを手に取った。

デザートのプリンを美味しそうに食べ始める。

この話はもう終わりということらしい。




「葉澄ちゃん。これ食べ終わったら洋服でも見に行こっか」


「うん……」




モヤモヤを抱えたまま、その後も夕方まで茉莉花ちゃんと過ごした。

柳沢くんのことをあれ以上聞き出せないまま、気が付けばまた次に遊ぶ約束まで取り付けられていたのだった。



< 158 / 217 >

この作品をシェア

pagetop