猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
「なんて、ごめんね。上手くいってるなら余計なことだよね。ただ、人ってそう簡単に変わらないから、ちょっと心配になっただけ」
茉莉花ちゃんはそれだけ言うと、表情を和らげてスプーンを手に取った。
デザートのプリンを美味しそうに食べ始める。
この話はもう終わりということらしい。
「葉澄ちゃん。これ食べ終わったら洋服でも見に行こっか」
「うん……」
モヤモヤを抱えたまま、その後も夕方まで茉莉花ちゃんと過ごした。
柳沢くんのことをあれ以上聞き出せないまま、気が付けばまた次に遊ぶ約束まで取り付けられていたのだった。