猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
△気付き△




「葉澄⁉そのクマどうしたの?」




教室に着くなり、私の顔を見たなっちゃんが驚いた声を上げた。


それもそのはず。

昨日の夜は柳沢くんたちのことが気になってなかなか寝付けず、遅くになってようやく眠れたものの寝坊してしまい。

できてしまったクマを隠す時間もなかったから、酷い顔をしているのだ。




「んー、頑張って勉強してたからかな」


「うへえ。無理しちゃだめだよ」




私は笑って誤魔化して、静かに席に座る。


柳沢くん、もう来てるよね。怖くて席の方見られないや。

そう思った時にちょうど近づいてくる足音があった。




「ハス、おはよう」




柳沢くんは今日も、キラキラ王子様の空気を纏っている。




「あ、おはよ」


「あれ、寝不足?それとも体調悪い?」




熱を確認するためか、柳沢くんの手が私の額に伸びてきた。

手が触れそうになる直前、私は思わず椅子を引いてそれを避けた。




「あ……」




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