猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
不思議と涙が溢れてくる。
それと同時に、また思ったことも勝手に溢れだす。
「茉莉花ちゃん、絶対まだ柳沢くんのこと好きだよ」
「そんなことない」
「だってだって、私と柳沢くん別れさせようとしてくるもん。土曜日遊んだ時、柳沢くんに不信感を持たせるようなこと言ってきたもん」
「いつの間にか連絡先交換してたのか。油断も隙もないな」
「でもそれでずっとモヤモヤしてるの……。もう、モヤモヤしてる自分もやだ。柳沢くんは茉莉花ちゃんと何があったのか全然教えてくれそうにないし……」
「……ほら、保健室もうすぐだから頑張って」
重い足を引きずるようにしながら、ようやく保健室に到着した。
健康優良児だったはずの私は、小学生の時から考えても、健康診断以外の目的で入ったことはない場所。
すぐさまベッドに寝かされ、先生に熱を測られた。
「38度。よく学校まで来たね。朝から辛かったんじゃない?」
「少しふらつくな……とは思ったけど、寝不足のせいかと思って……」
「親御さんに迎えに来てもらいましょうね。連絡しとく」
「はい……」