猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め



自分の体調に気付けなかったなんて……!不覚……!


どうやら昨日の夜なかなか寝付けなかったり朝起きられなかったりしたのも、柳沢くんと茉莉花ちゃんのことで頭がいっぱいだったからではなく、体調の悪さが原因だったらしい。




「先生。ホームルームが始まるまで付き添ってて良いですか?」




ベッド脇の椅子に座る柳沢くんが聞くと、先生は笑顔でうなずく。




「柳沢君がそうしたいならそうしてあげて。私今から職員会議だから外すけど、熱がある時って心細いし」




先生。どちらかというと柳沢くんと二人にされるのは気まずいのですけど。さっき色々言っちゃったし。

でもそんな思いが伝わるわけもなく、先生は「あとはお願い」といって職員室へ行ってしまった。




「いいよ柳沢くん。教室、戻りなよ」


「嫌。少しでもハスと一緒にいたい」


「風邪だったらうつるかも」


「別にいい。それに風邪とかひかない方だし」




いや、風邪は私もひかない方だったつもりなんだけどね。



< 168 / 217 >

この作品をシェア

pagetop