猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め





……ないとは言えない。




「とにかく持ってきてくれてありがとう。あ、そういえば高森くん。実は私この前茉莉花ちゃんに会って色々あったんだけど……」




高森くんに茉莉花ちゃんのことを聞き出そうとした経緯があるので、お礼ついでに話を聞いてもらおうと思った。


だけど、その瞬間ふと後ろから視線を感じた。

そっと振り返ると、娘の元を訪ねてきた男子に興味津々といった様子のお母さんが、ドアを半開きにしてこちらを覗き込んでいた。




「……ちょっと外出て話そっか」




私はコートとマフラーをつかみ、高森くんを連れて外に出た。


久しぶりの外の空気はものすごく冷たい。

もう冬なんだから当たり前か。


私は徒歩一分の場所にある公園まで高森くんを案内する。




「外に出て大丈夫なんですか?」


「うん。もうほぼ治ってるし、明日にはもう学校行けそう!……って言っても、三日後にはもう冬休みだけど。高森くんこそ、かなり薄着に見えるけど寒くない?」


「まあ、本当はあまり長い時間外にいるつもりはありませんでしたからね。でも大丈夫です」




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