猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
また風邪がぶり返したら、それこそ次会うの新学期にとかなりかねないもんね。
ていうか、明日言うんだって意識したら今から緊張してきちゃった。
「まあ、もし香田さんが心配しているように、両想いになったことで奏多の気持ちが変わって失恋……なんてことがあれば、僕が胸を貸して慰めてあげます」
「あは、何かチャラ男みたいな台詞だね」
「さあ。案外僕も人前では真面目な優等生のように振る舞っているだけで、本性はチャラ男かもしれませんよ」
高森くんのそんな冗談に、私は声を出して笑う。
ちょっと勇気をもらえたかも。
よし。
帰ってしっかりご飯食べて、温かくして寝よう。
明日は早めに起きて、少しでも可愛い自分になれるようにメイク頑張るんだ。
そんな風に、気合を入れた。
──だけど
結果から言えば、翌日万全の状態で学校へ行った私が、柳沢くんに気持ちを告げることは叶わなかった。