猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め



聞いてるのかな??

柳沢くんは私の顔に手を添えて、くいっと自分の方を向かせる。




「あーあ。どうやったらハスの目に俺以外映らなくなるのかな」




その言葉に、私は少しムッとした。

わかってない。柳沢くんは全然わかってないよ。




「もうとっくに、私の目には柳沢くんしか映らなくなってるよ」




私はゆっくり、柳沢くんの背中に腕を回す。

そして今度こそ、一瞬だけではあるけど、柳沢くんの唇にキスをした。


柳沢くんは一瞬呆気にとられたような顔をして、天を仰いだ。




「……この状況で襲わず我慢してる俺を褒めて欲しいんだけど」


「褒め……?すごいね?」


「いや意味わかんないならいい」




何なんだ?

ていうか、どっちかっていうと、ちゃんと唇にキスした私を褒めるべきでは?


……まあ、いっか。




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