猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
「……というか、本当に付き合ってるんだったらあんな相談してこないだろうしな」
「黙れ」
「で、相談してくる割に何言っても納得しないんだもんな」
「うるさい」
ん、私にわからない話が始まってしまった。
そもそも、何で柳沢くんは何故ここに?
……というわけで、高森くんから詳しく話を聞いてみると。
この空き教室では、高森くんが普段昼休みに一人でゆっくり過ごすのに使っていたらしい。
だけど数日前から、(迷惑なことに)そのことを知っていた柳沢くんが来るようになったのだとか。
「それで奏多が聞いてくるんですよ。『人を好きになるときの感覚はどんな感じだ?』って」
「はあ……」
「甚。それ以上言ったら本気で殺す」
柳沢くんは、眉間にしわを寄せながら言う。
人を好きになるときの感覚が知りたい?何で?
私はしばらく考えるうちに、女の勘的なものが働いた。
「あっ……!もしかして柳沢くん……気になる人ができた?」