猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
こうして考えるだけですごく楽しい。
絶対楽しい文化祭になるよね。
そんな風にワクワクが止まらなかった私だけど……次の言葉で一気にどん底まで叩き落された。
「だけど忙しくなるね~。テスト終わったらさっそく準備始めないと間に合わないんじゃない?」
「……えっ……?てす……と……?」
「うん。ていうかテストってもう再来週か。やばいやばい」
一気に目の前が真っ暗になった気がした。
てすと……?テスト……?中間テスト……?
忘れてた。思いっきり忘れてた。
その後も文化祭についての話がいろいろされていたけど、全然耳に入ってこなくなっていて。
気が付けばホームルームも終わって皆が帰り始めていた。
「ハス、そろそろ帰ろう」
王子様モードの笑顔を浮かべた柳沢くんに肩を叩かれて、やっと我に返った。
「柳沢く~ん……」
「ど、どうしたの?」
「お願いっ!高森くんの連絡先教えて!どうしても会いたいの!」
「……え?」