もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「こうして顔を近づけたでしょう? この後のことです」
シエルが言っているのは、魔獣による襲撃の直前のことだ。
わざとかと思うほどあからさまにグランツが硬直し、絶句する。
イルシャがふんと鼻を鳴らした。空気を読んだらしく、ミュンをくわえて二人のそばを離れていった。
「な、なぜ急にそんな質問を」
「ふと思い出したら気になってしまって」
「……忘れてくれ。騎士にあるまじき不誠実なふるまいをしようとしていた」
「その不誠実なふるまいとはどのようなことでしょう」
シエルが言っているのは、魔獣による襲撃の直前のことだ。
わざとかと思うほどあからさまにグランツが硬直し、絶句する。
イルシャがふんと鼻を鳴らした。空気を読んだらしく、ミュンをくわえて二人のそばを離れていった。
「な、なぜ急にそんな質問を」
「ふと思い出したら気になってしまって」
「……忘れてくれ。騎士にあるまじき不誠実なふるまいをしようとしていた」
「その不誠実なふるまいとはどのようなことでしょう」