もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「……なるほど。では、私の持つ権限も一時的に剥奪されるのでしょうか。そうであれば牢に入る前に当家のライゼンと、カセル騎士団のトーレイに事情を伝えていただきたい」
それは信頼の置ける執事と副団長の名だった。いつ命を落としてもおかしくはない役職についているグランツは、己の身になにかが起きた時の対応も事前に決めてある。
「認めましょう」
「難しいかもしれないが、弟の耳に入れないでもらえるだろうか。私の身に疑いがかかっていると知ったら、ひどく傷つけてしまうかもしれませんので」
「それも認めましょう」
意外とわがままが通るのだな、とグランツは再び不思議に思った。
それは信頼の置ける執事と副団長の名だった。いつ命を落としてもおかしくはない役職についているグランツは、己の身になにかが起きた時の対応も事前に決めてある。
「認めましょう」
「難しいかもしれないが、弟の耳に入れないでもらえるだろうか。私の身に疑いがかかっていると知ったら、ひどく傷つけてしまうかもしれませんので」
「それも認めましょう」
意外とわがままが通るのだな、とグランツは再び不思議に思った。