もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「グランツにシエルを殺させたがっていたのは、シエルの持つ力を知っていたがゆえに共倒れになればいいと思ったからか。……お前、そこまで王女に嫌われる理由に思い当たる節は?」
「ない。お前の婚約者だから必要以上に近づかないよう、気をつけていたしな。ほとんどかかわりがないと言ってもいい」
「……だが、強大な魔力を持つ人間と戦わせてやれと思う程度には、嫌われて……あるいは憎まれているわけだ。もう少しよく考えるべきだった。俺の落ち度だ」
だん、とアルドが苛立ちまぎれにテーブルを叩くと、驚いたシエルの肩が跳ねた。
「あの女、とんでもない悪女じゃないか」
「落ち着け、アルド」
「ない。お前の婚約者だから必要以上に近づかないよう、気をつけていたしな。ほとんどかかわりがないと言ってもいい」
「……だが、強大な魔力を持つ人間と戦わせてやれと思う程度には、嫌われて……あるいは憎まれているわけだ。もう少しよく考えるべきだった。俺の落ち度だ」
だん、とアルドが苛立ちまぎれにテーブルを叩くと、驚いたシエルの肩が跳ねた。
「あの女、とんでもない悪女じゃないか」
「落ち着け、アルド」