もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
きりりと引き上げられた眉に、やや細い目。柘榴石に似た深紅の瞳は、彼の騎士姿のせいか、血を想起させて恐ろしい。男の使い古された鎧から、戦場を駆ける彼を想像するのは難しくなかったし、鎧の上から身体を包む暗紫の外套(マント)も、星の光も届かない夜を思わせて言いようのない不安を煽る。
だが、彼女を見つめる彼の表情は緊張していて、妙に優しげだ。だからか、魔女は恐ろしいのに怖いとまでは思わないという、一見矛盾したような奇妙な感情を抱く。
それもあって彼女は、男の赤い瞳に映る自分のみすぼらしさを恥ずかしく思い、目を伏せた。
だが、彼女を見つめる彼の表情は緊張していて、妙に優しげだ。だからか、魔女は恐ろしいのに怖いとまでは思わないという、一見矛盾したような奇妙な感情を抱く。
それもあって彼女は、男の赤い瞳に映る自分のみすぼらしさを恥ずかしく思い、目を伏せた。