もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「君にとってそれが一番都合がいいなら。ただしそれ以上は待たない。セニルースの建国祭で真実が明かされなかった場合は、正式に婚約破棄を申し出る」

「承知いたしました。契約書でもお作りいたしましょうか? 『建国祭にて真実を公表しない場合、ラベーラ・ディル・セニルースはアルド・ウィン・リンデンとの婚約を破棄する』と」

 彼女が今までにしてきたことを考えると、不気味なほど素直だった。

 それがシエルには悲しい。

(そこまで殿下を愛していらっしゃるのに、殿下には応える気がない……)

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