もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
今日までずっと、シエルはグランツを遠巻きに眺めるばかりで、自分からはほとんど話しかけなかった。
グランツも必要以上に会話をしようとしなかったため、まともに会話したのは初めて出会った時以来だといえる。
シエルが話しかけると、グランツは作業の手を止めて顔を上げた。
騎士団長だというのに軽鎧は身につけておらず、極めて簡素な衣服のみ。シャツを肘までまくっており、鍛えられた腕があらわになっている。
「貴女の生活が少しでもよいものとなるように、と思ったのだが、迷惑だっただろうか」
まっすぐに見つめられたシエルは、意思の強い瞳を受け止めきれずにうつむいた。
グランツも必要以上に会話をしようとしなかったため、まともに会話したのは初めて出会った時以来だといえる。
シエルが話しかけると、グランツは作業の手を止めて顔を上げた。
騎士団長だというのに軽鎧は身につけておらず、極めて簡素な衣服のみ。シャツを肘までまくっており、鍛えられた腕があらわになっている。
「貴女の生活が少しでもよいものとなるように、と思ったのだが、迷惑だっただろうか」
まっすぐに見つめられたシエルは、意思の強い瞳を受け止めきれずにうつむいた。