もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「君が事情を伝えた門衛は、すぐ殿下に報告してくれたんだ。ワレス軍が攻めてきた話は伝わっていたし、万が一のことを考えたようだ」

 シエルが目覚める前に、グランツも件の門衛に礼を言っている。

『なぜか、信じなければならないと思ったんです』

 門衛がシエルになにを感じたかはわからなかったが、結果的にその判断はリンデンを救ったのだ。

「トーレイが送った伝令が届いたのもあって、殿下の対応も早かったらしい」

「でしたら、私が無理にお伝えしなくてもよかったのかもしれませんね。街に行ったせいであんな騒ぎになってしまって……」

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