もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
魔獣にしか見えない獣の行動にアルドもかなり混乱したようだが、イルシャがグランツをシエルのもとへ連れてきたこと、そしてなによりもリンデンにいるはずのないラベーラがいたことから、黒い獣を信じることにしたのだった。
「彼女は人々を興奮状態にさせる魔法薬を使用していたんだ。広場に集まった者たちの様子がおかしかったのは、そのせいだな」
シエルはキルヒェの広場で行われた恐ろしいひと時を思い出し、肩を震わせてグランツの胸に顔を押し付けた。
「確かに異様な光景でした。いきなり茨で縛られて、処刑されそうになったのです。とても怖かった……」
「彼女は人々を興奮状態にさせる魔法薬を使用していたんだ。広場に集まった者たちの様子がおかしかったのは、そのせいだな」
シエルはキルヒェの広場で行われた恐ろしいひと時を思い出し、肩を震わせてグランツの胸に顔を押し付けた。
「確かに異様な光景でした。いきなり茨で縛られて、処刑されそうになったのです。とても怖かった……」