もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「ああ、既に洗いざらい吐いている。なぜ、わざわざあの場に現れたのだと思う? 俺と君が苦しみ死ぬ様を自分の目で見たかったからだそうだ」

「それほどまでに恨まれていたのですね」

「殿下も許すべきではなかったと悔やんでいた」

 ラベーラはまごうことなき悪女だが、まさかそこまでするほどの人間だとは思わなかったというのが、アルドとグランツの意見だった。

 彼らの知るセニルースのラベーラ王女は、誰もが敬う聖女だったのだから。

「ワレスを焚きつけたのも彼女だという。ずいぶんと前から計画していたらしい。殿下に偽物の聖女だと知られる以前から、入念に進めていたようだな」

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