もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
シエルは意識のない騎士から『生きたい』という願いを感じ取り、その思いに応えるように癒やしの魔法を使って助けたのだが。
「あの場には誰もいなかったはずです……」
「見られては困るものだったのだな。すまない」
グランツの言葉は、彼がシエルの魔法を見たという事実を示している。
「煤の森に慣れないせいで、連れてきた部下たちの一部がはぐれてしまったんだ。そのうちのひとりが彼だったんだが……」
「あなた以外の方も私の魔法を……?」
「いや、私しか見ていない」
ラベーラが見せるなと言っていた魔法を見られてしまった──という不安が、シエルの顔いっぱいに浮かぶ。
「あの場には誰もいなかったはずです……」
「見られては困るものだったのだな。すまない」
グランツの言葉は、彼がシエルの魔法を見たという事実を示している。
「煤の森に慣れないせいで、連れてきた部下たちの一部がはぐれてしまったんだ。そのうちのひとりが彼だったんだが……」
「あなた以外の方も私の魔法を……?」
「いや、私しか見ていない」
ラベーラが見せるなと言っていた魔法を見られてしまった──という不安が、シエルの顔いっぱいに浮かぶ。