もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「顔を隠さないでくれ。君の反応のすべてを目に焼き付けたい」

 ぞくりとした甘く危うい衝動がシエルの身体を駆け抜ける。

「だ……だめです、見ないでください……」

 彼の望む通りにしてはいけない気がして訴えるも、グランツはシエルが拒めないように唇を塞いだ。

 両手の自由を奪われたシエルは、これまでに経験のない荒々しいキスに呼吸を乱して小さな声をあげ。息をするだけで精一杯になっていると、服の中にグランツの手が入ってきた。

 シエルはびくりと反応し、グランツに文句を言おうとしたが、キスのせいでかなわない。

(だから以前、左腕が回復するまでキスをしないと言ったの……?)

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