もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
だが、グランツはシエルに向かってすっと頭を下げた。
「部下を助けてくれてありがとう。どう切り出すべきか悩んでいたせいで、礼を言うのが遅くなってしまった。命の恩人だというのに、礼を失してすまない」
「誰にも言わないでください。人に見せてはいけないものなんです」
思わず立ち上がって言ったシエルの声に、少し力が入る。
見せるなと言われた理由は知らないが、必要以上に多くの人間に知られるのは恐ろしい気がした。
「わかっている。……貴女にとっては、よほどの行為だったのだな。部下を見捨てずにいてくれて本当にありがとう」
「部下を助けてくれてありがとう。どう切り出すべきか悩んでいたせいで、礼を言うのが遅くなってしまった。命の恩人だというのに、礼を失してすまない」
「誰にも言わないでください。人に見せてはいけないものなんです」
思わず立ち上がって言ったシエルの声に、少し力が入る。
見せるなと言われた理由は知らないが、必要以上に多くの人間に知られるのは恐ろしい気がした。
「わかっている。……貴女にとっては、よほどの行為だったのだな。部下を見捨てずにいてくれて本当にありがとう」