もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
無表情にしか見えず、これといった反応をしない様子に焦れたのか、騎士は彼女を見上げて再度乞うた。
「返事を聞かせてもらえないだろうか。どうか、私の妻になってほしい」
求婚は聞き間違いではなかったらしい──と彼女が思ったのも束の間、意識の外に追いやられていた男の同行者たちが、ようやく自分を取り戻したように声をあげる。
「ちょっ、団長!? いきなりなに言ってるんですか!?」
「聞き間違いですよね! そうですよね! まさか〝煤の森の魔女〟に求婚なんて、正気を失ってでもいない限りありえな──」
「悪いが、俺は至って正気だ」
「返事を聞かせてもらえないだろうか。どうか、私の妻になってほしい」
求婚は聞き間違いではなかったらしい──と彼女が思ったのも束の間、意識の外に追いやられていた男の同行者たちが、ようやく自分を取り戻したように声をあげる。
「ちょっ、団長!? いきなりなに言ってるんですか!?」
「聞き間違いですよね! そうですよね! まさか〝煤の森の魔女〟に求婚なんて、正気を失ってでもいない限りありえな──」
「悪いが、俺は至って正気だ」