初恋の味は苦い
熱風の名古屋
祥慈が入社して2週間が過ぎ、少しずつ秋の気配を感じ始める季節になった。
が、名古屋は暑い。まだジリジリと夏が残ってる。
「暑いな」
隣で祥慈も言う。
そう、ここはまだまだ暑い名古屋。
さて、なぜ都内勤務の私と祥慈が、今ここ名古屋にいるかというと、会社サービスの勉強として営業の出張に転入社員の祥慈がくっついてきた、というわけである。
祥慈の上司である技術部の次長の提案。
一泊二日。
私は実は昨晩から名古屋入りしてたけど、祥慈は朝会社で軽く業務を済ませてさっき到着したばかりだった。
「夜は幾分か涼しかったよ」
「でもこれまだ夏の暑さ」
祥慈を少し見上げるとほのかに額が汗ばんでいる。
「今日のスケジュールなんだけど、大体クライアントさんの業務の現場を見て、話を聞いて、私の方からサービスの話をして、って感じで大体多田さんは見てるだけかなっていう」
「俺、見てるだけなの?」
「専門的なところは答えてもらえたら嬉しいってくらい」
「俺、仕事やばいんだけど。これ終わったらもう今日帰ろっかな」
「え?」
思わず目が合った。
なぜか彼も私の方を見ていた。わざとだ。
が、名古屋は暑い。まだジリジリと夏が残ってる。
「暑いな」
隣で祥慈も言う。
そう、ここはまだまだ暑い名古屋。
さて、なぜ都内勤務の私と祥慈が、今ここ名古屋にいるかというと、会社サービスの勉強として営業の出張に転入社員の祥慈がくっついてきた、というわけである。
祥慈の上司である技術部の次長の提案。
一泊二日。
私は実は昨晩から名古屋入りしてたけど、祥慈は朝会社で軽く業務を済ませてさっき到着したばかりだった。
「夜は幾分か涼しかったよ」
「でもこれまだ夏の暑さ」
祥慈を少し見上げるとほのかに額が汗ばんでいる。
「今日のスケジュールなんだけど、大体クライアントさんの業務の現場を見て、話を聞いて、私の方からサービスの話をして、って感じで大体多田さんは見てるだけかなっていう」
「俺、見てるだけなの?」
「専門的なところは答えてもらえたら嬉しいってくらい」
「俺、仕事やばいんだけど。これ終わったらもう今日帰ろっかな」
「え?」
思わず目が合った。
なぜか彼も私の方を見ていた。わざとだ。