初恋の味は苦い

冷たい空気

なぜ気温が下がると、気持ちまで下がるのだろう。

すっかり秋も深まってきたけど、私は相変わらず一人。

ふとこの間までハロウィーンの飾り付けがあったところが雪の結晶とイルミネーションの飾りに変わってることに気付き、10月の記憶がまるでないことに驚く。

一瞬で終わってしまった。

ダイマツ精機のプロジェクト契約に終始した一ヶ月だった。

ため息が漏れた。まだ白くはならない。

祥慈はもうすっかり毎日忙しそうで、仕事上接点は皆無。

仕事上というより全ての上で皆無。

私は終わっていた。

なぜ私はあの時、好きだなんて言ってしまったのだろう。
完全に遊びだけの関係に終わっていれば今頃社内でうふふあははと陰ながら楽しめていただろうに。

尽くし過ぎた方が負けだ。正直後悔しなかった日はない。

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