私の何がいけないんですか?
あれから二年。
ヨナス様は王位継承権を剥奪され、王室の厳しい監視下の元暮らしている。
当然、クラウディア様との婚約は破棄された。彼女はヨナス様の弟と婚約し、あの頃よりも幸せそうに王妃教育に励んでいる。
私はというと――――
「僕と踊っていただけませんか?」
煌びやかな夜会会場。私に向かって真っ直ぐ差し出された手のひらに、目を細める。
「ありがとう」
会場に来て以降、引っ切り無しにやって来るダンスの誘いを断りつつ、先日夫となったハンネス様の隣に並び立つ。
「踊らなくて良いの?」
穏やかな笑み。けれど、彼の手のひらはしっかりと私を掴んで放さない。
ハンネス様はいつも、溢れんばかりの愛情で私のことを包んでくれる。この二年間、不安も、悲しくなるほどの劣等感も、一切感じる暇が無かった。彼のお陰で、私は本当に幸せだった。
「ええ。だって、私にはハンネス様が居ますもの」
答えれば、ハンネス様ははにかむ様に笑う。愛しさが胸にこみあげる。
ずっとずっと欲しかったもの。それはもう、この手の中にある。
「じゃあ――――俺と踊ってくれますか?」
ハンネス様が尋ねた。
初めて私を誘ってくださった夜と同じ、温かくて優しい笑みを浮かべて。
「もちろん!」
私達は顔を見合わせると、満面の笑みを浮かべるのだった。
ヨナス様は王位継承権を剥奪され、王室の厳しい監視下の元暮らしている。
当然、クラウディア様との婚約は破棄された。彼女はヨナス様の弟と婚約し、あの頃よりも幸せそうに王妃教育に励んでいる。
私はというと――――
「僕と踊っていただけませんか?」
煌びやかな夜会会場。私に向かって真っ直ぐ差し出された手のひらに、目を細める。
「ありがとう」
会場に来て以降、引っ切り無しにやって来るダンスの誘いを断りつつ、先日夫となったハンネス様の隣に並び立つ。
「踊らなくて良いの?」
穏やかな笑み。けれど、彼の手のひらはしっかりと私を掴んで放さない。
ハンネス様はいつも、溢れんばかりの愛情で私のことを包んでくれる。この二年間、不安も、悲しくなるほどの劣等感も、一切感じる暇が無かった。彼のお陰で、私は本当に幸せだった。
「ええ。だって、私にはハンネス様が居ますもの」
答えれば、ハンネス様ははにかむ様に笑う。愛しさが胸にこみあげる。
ずっとずっと欲しかったもの。それはもう、この手の中にある。
「じゃあ――――俺と踊ってくれますか?」
ハンネス様が尋ねた。
初めて私を誘ってくださった夜と同じ、温かくて優しい笑みを浮かべて。
「もちろん!」
私達は顔を見合わせると、満面の笑みを浮かべるのだった。