結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
「それを言うなら父上。僕ももう遅いかもしれません。ソフィアは僕の子を妊娠しているかもしれません」
「なにっ、お前までそんなことを言うのか!」
「ですから、男らしく責任を取るために帰って来たのです」
父はぐうっ、と唸り声を上げて顔をしかめた。アルベルトは今のうちに言質を取ろうと、畳みかけるように話した。
「まずは婚約だけでもさせてください。一刻でも早くグレーン男爵に話がしたい」
「そうだな、常々男は責任を取れと言ってきたのは私だからな。だが、しかし……」
「お願いします、父上! 僕はもう、ソフィアとしか結婚したくはありません。彼女との結婚を許してくださるなら、父上の言う通りに兄の手伝いをするために家に戻ります」
「そうか、お前がそこまで言うのであれば」
ようやく父が折れかかったところで、家令がノックもせず慌てて部屋に飛びこんでくる。普段から穏やかな彼が、額に汗を流して慌てた様子に緊急事態だと一気に空気が張りつめた。
「旦那様、今、連絡がまいりました。ご長男様が落馬されて危篤状態です」
「なにっ!」
そこからは嵐のようだった。跡取りである長男は落馬の際に首の骨を折っており、危篤どころか即死であった。アルベルトも婚約の話を進めることができなくなり、一旦保留となる。
「なにっ、お前までそんなことを言うのか!」
「ですから、男らしく責任を取るために帰って来たのです」
父はぐうっ、と唸り声を上げて顔をしかめた。アルベルトは今のうちに言質を取ろうと、畳みかけるように話した。
「まずは婚約だけでもさせてください。一刻でも早くグレーン男爵に話がしたい」
「そうだな、常々男は責任を取れと言ってきたのは私だからな。だが、しかし……」
「お願いします、父上! 僕はもう、ソフィアとしか結婚したくはありません。彼女との結婚を許してくださるなら、父上の言う通りに兄の手伝いをするために家に戻ります」
「そうか、お前がそこまで言うのであれば」
ようやく父が折れかかったところで、家令がノックもせず慌てて部屋に飛びこんでくる。普段から穏やかな彼が、額に汗を流して慌てた様子に緊急事態だと一気に空気が張りつめた。
「旦那様、今、連絡がまいりました。ご長男様が落馬されて危篤状態です」
「なにっ!」
そこからは嵐のようだった。跡取りである長男は落馬の際に首の骨を折っており、危篤どころか即死であった。アルベルトも婚約の話を進めることができなくなり、一旦保留となる。