結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
リヒトの寝ているベッドの近くにイスを持ってきたアルベルトは、冷たい水をグラスに入れるとソフィアの前に置いた。
「君も疲れただろう、少し飲むといいよ」
「ありがとう」
高級そうなグラスに入った水を喉に流し込むと、ひんやりとした温度が温まった体を元に戻していく。
アルベルトも同じようにグラスに入った水を飲み切ると、ふぅ、と一息ついてイスに座った。
「お腹すいていない? 何か頼もうか?」
「ん、今はいいわ。リヒトが寝ている間にあなたの話を聞かせてくれる?」
「わかった。……、どこから話そうか」
「どうして記憶を失うなんてことになったの?」
ソフィアの問いかけに、アルベルトは「そうだね」と落ち着いた様子で話し始めた。
「昨日、僕は自分の記憶が消えたと伝えたが、正確には消えたというより、——すり替えられていた」
「え? すり替えられた?」
「あぁ、とても信じられないことだが、隣国にはそうした薬があるらしく、僕は六年前にその薬をローズに盛られて、記憶がすり替わってしまった」
「それは……、どういうことなの?」
「薬の作用と、催眠術を使われてローズをソフィアだと思い込んでしまった」
ドクン、と心臓が飛び出すほどに鼓動する。全身を嫌な血が流れていくようで、額に汗がたらりと流れる。
「……、だから私のことを、覚えていなかったの?」
「君も疲れただろう、少し飲むといいよ」
「ありがとう」
高級そうなグラスに入った水を喉に流し込むと、ひんやりとした温度が温まった体を元に戻していく。
アルベルトも同じようにグラスに入った水を飲み切ると、ふぅ、と一息ついてイスに座った。
「お腹すいていない? 何か頼もうか?」
「ん、今はいいわ。リヒトが寝ている間にあなたの話を聞かせてくれる?」
「わかった。……、どこから話そうか」
「どうして記憶を失うなんてことになったの?」
ソフィアの問いかけに、アルベルトは「そうだね」と落ち着いた様子で話し始めた。
「昨日、僕は自分の記憶が消えたと伝えたが、正確には消えたというより、——すり替えられていた」
「え? すり替えられた?」
「あぁ、とても信じられないことだが、隣国にはそうした薬があるらしく、僕は六年前にその薬をローズに盛られて、記憶がすり替わってしまった」
「それは……、どういうことなの?」
「薬の作用と、催眠術を使われてローズをソフィアだと思い込んでしまった」
ドクン、と心臓が飛び出すほどに鼓動する。全身を嫌な血が流れていくようで、額に汗がたらりと流れる。
「……、だから私のことを、覚えていなかったの?」