結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ～裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ～

「それに、こんなにも可愛い息子がいたんだ。ちょっとくらい浮かれてもいいとは思わないか？」
「え、そ、そうね」

　意外にもアルベルトはジミーの言葉を聞いて、気にしているようだった。そんな姿のアルベルトも新鮮で、ソフィアは思わずふふっと笑ってしまう。

　ジミーはすぐに戻ってくると、袋の中身をアルベルトの前に置いた。三人が仲睦まじくくつろいでいる様子を見て、ソフィアにそっと声をかけた。

「やっぱり、社長さんの子だったんだな」
「う、うん」

　前回ジミーに聞かれた時は、否定するしかなかった。けれど今はもう、アルベルトに隠していることは何もない。リヒトがアルベルトの子どもであることは、顔つきからして明らかだから、もう否定することもない。

　それでも友達のジミーに指摘されると、まるでいけないことをしてしまった十代の娘のように顔を赤くしてしまう。それを横から見ていたアルベルトは、ムッとした顔をするとジミーに話しかけた。

「ジミー君、また土地の件で話があるので、後から話をしよう。僕はしばらくセイリュースに滞在するから、連絡は部下にしてくれたまえ」
「はいっ、わかりましたっ！」
「それと……、ソフィアは僕にとって大切な人だ。リヒトもね。だから、君には必要不可欠なこと以外での接触は控えて貰いたい。いいね」
「はっ、はいっ！」