結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ～裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ～

　まさか、アルベルトがそんな独占欲丸出しの言葉をジミーにかけるとは思っていなかった。ジミーはぶるりと震えあがると声を上擦らせた。もうそれ以上、ソフィアには何も言えなかった。





　リヒトのお昼寝の時間となり、一旦ホテルに戻ったソフィアたちは部屋でくつろぐようにソファーに座った。リヒトはすでにベッドで横になっている。

　冷たい飲み物でも、といってアルベルトは最近の流行だというレモンスカッシュを注文する。甘いレモネードに炭酸水を入れて混ぜた飲み物で、ソフィアにとって初めての味だった。シュワっと泡が次々と出てくる様に、驚きを隠せない。一口飲むと、炭酸が口の中で爆ぜた。

「わっ、痛いっ」
「はは、炭酸だからね。しばらくすると、炭酸が弱くなるから置いておくといいよ」

　それでも慣れてくると爽やかなのど越しになる。ソフィアは未知の味に驚きながらも楽しんでいた。だが、先ほどのアルベルトの態度を思い出すと、頬を膨らませて口を尖らせる。

「もうっ、ジミーにあんなこと言うなんてっ」
「だって、君のことを熱い目で見ていた男なんだ。気になるのは仕方ないじゃないか」
「そんなこと」
「そんなこと、あるよ。君だって薄々感じていただろう？」