結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
 もう、自分を誤魔化すことができなかった。例え身分違いであろうと構わない。

(私、アルベルトのことが……、こんなにも好き)

 全身を駆け抜けるような想いの答えにようやくたどり着いたソフィアは、もう一度心の中で繰り返す。

(アルベルト、私、アルベルトが大好き)

 ストン、と何かが落ちたように気持ちが落ち着いたソフィアは、喉から声をだした。

「あ、ありがとう」

 しゃくり声でもかろうじてお礼を伝えると、アルベルトは白い歯をだして太陽のように笑った。

「良かったよ、君の役に立てたなら」

 彼はソフィアが泣き止むのを傍にいて待っていた。寄り添いながら、時折頭を優しく撫でる。実の兄もしてくれないような仕草にどきりとしながら、ようやく涙が止まり始めた。

「アルベルト、濡れてしまったからうちに来て着替えて。お願い、そのくらいのお世話はさせて頂戴」
「いや、そこまでは」
「遠慮しないで。今の時間なら通いの召使もいるし、身体を温めるだけでもして。家は歩いてすぐそこだから」
「わかった、じゃあお言葉に甘えるよ」

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