結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
「アルベルト、だったら指輪は受け取るわ。六年前の私は、この指輪を受け取ったのだから……、まだ結婚の返事はできないけれど、それで良かったら」
「ありがとう、ソフィア。嬉しいよ」

 立ち上がったアルベルトは、ソフィアの手に手鏡を握らせると、チェーンのついた指輪をとり後ろに回る。そっと首元にネックレスをつけた。

「綺麗だ、ソフィア。似合っているよ」
「そ、そう? ありがとう」

 首元には金色の指輪が細い鎖の先で揺れている。少し長めの鎖なので、普段使いの服であれば外に見えないだろう。ソフィアは指輪を触りながら鏡を見ると、白い胸元に綺麗な金色が輝いていた。

「素敵」
「君の方が素敵だよ、ソフィア」
「また、アルベルトったら、あっ」

 紺碧の瞳に吸い寄せられるようにアルベルトの顔を見つめると、彼の厚い唇が落ちてくる。昨日の触れるだけのものとは違い、アルベルトは何度も口角を変えるように口づけた。

 ソフィアを見つめる瞳の奥に、熱がこもっている。その瞳に酔うようにソフィアは瞼を閉じると、一度離れた唇から切なそうに吐息が漏れた。

「ソフィア、好きだ」

 いつのまにか顎を持ち上げられ、後頭部に手を添えられていた。思わず唇を開いた途端、アルベルトの舌先が入り込んでくる。彼の劣情を含んだ舌先がソフィアを蹂躙するように口内を舐める。

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