結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
 アルベルトはごく自然に『僕たちの家庭』と言っているけれど、ソフィアはまだ彼にはっきりとした返事をしていない。このままホテル住まいが出来るわけでもないし、アルベルトもいつかは王都に帰らないといけないだろう。

 ソフィアはどうしたいのか、そろそろ返事をする時期だと思うのだけど——、まだ決心がつかなかった。





「ソフィア、リヒトはもう寝た?」
「うん、今日もいっぱい遊んでいたから、すぐに寝ちゃったわ」

 夕食を三人で取った後、リヒトはお腹いっぱいになるとすぐに寝てしまう。ソフィアが寝かしつけをするのが嬉しくていつもお話をねだると言ったら、アルベルトは子供向けの絵本をすぐに揃えてしまった。

 その本を読み切る前に、いつもコテンと寝てしまう。以前から寝つきは良くて、その後も大抵ぐっすりと寝ていることが多い。

 リヒトが寝るとソフィアは隣の部屋に行きアルベルトと少し語り合うようになった。時にはワインを一緒に飲むこともある。大抵はその日一日あったことを話し、これまで離れていた六年間のことを語り合う。

 そして最後に——、アルベルトはソフィアを抱きしめると深いキスを求め、ソフィアもそれに応じていた。

「ソフィア、好きだ」
「んんっ、アルベルトっ」

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