結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
「ねぇ、ママ。どうしてママのことをお嬢さまって呼んでいるの?」
「そうね、リヒトにもお話しないとね」
リヒトの髪を撫でるソフィアを見て、満足そうな顔をしたアルベルトはみんなに見せたいものがあると言って歩きはじめた。
「こっちの部屋に置いたんだ」
かつてアルベルトが絵描きとしてソフィアの肖像画を描いた部屋に入ると、その絵は壁に掛けられていた。
「この絵! 私の!」
「そう、王都の自宅から送ってもらったからようやく、ここに飾ることができる」
「そうね、この部屋にこうして飾りたかったの。そして、それをあなたと一緒に見るんだって……、私!」
ソフィアは当時思い描いていた未来を、ようやく手にしていることに気がついた。アルベルトの描いた自分の絵を、二人でこの部屋で見る。六年もかかってしまったけれど、ようやく実現できた。
ソフィアは流れ落ちる涙を止めることができなかった。嬉しいことがあまりにもたくさんすぎて、信じられないくらいだった。
「アルベルト、私、どれだけあなたにお礼を言ったらいいのか……」
「いいんだよ、ソフィア。君の為にできることがあれば、僕は何でもしたいんだ」
アルベルトがハンカチを取り出すと、ソフィアの涙を優しく拭う。そのハンカチの隅に、アルベルトの名前が刺繍されているのをソフィアは気がついた。
「このハンカチは、私があなたの名前を刺繍したの」
「そうね、リヒトにもお話しないとね」
リヒトの髪を撫でるソフィアを見て、満足そうな顔をしたアルベルトはみんなに見せたいものがあると言って歩きはじめた。
「こっちの部屋に置いたんだ」
かつてアルベルトが絵描きとしてソフィアの肖像画を描いた部屋に入ると、その絵は壁に掛けられていた。
「この絵! 私の!」
「そう、王都の自宅から送ってもらったからようやく、ここに飾ることができる」
「そうね、この部屋にこうして飾りたかったの。そして、それをあなたと一緒に見るんだって……、私!」
ソフィアは当時思い描いていた未来を、ようやく手にしていることに気がついた。アルベルトの描いた自分の絵を、二人でこの部屋で見る。六年もかかってしまったけれど、ようやく実現できた。
ソフィアは流れ落ちる涙を止めることができなかった。嬉しいことがあまりにもたくさんすぎて、信じられないくらいだった。
「アルベルト、私、どれだけあなたにお礼を言ったらいいのか……」
「いいんだよ、ソフィア。君の為にできることがあれば、僕は何でもしたいんだ」
アルベルトがハンカチを取り出すと、ソフィアの涙を優しく拭う。そのハンカチの隅に、アルベルトの名前が刺繍されているのをソフィアは気がついた。
「このハンカチは、私があなたの名前を刺繍したの」