結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~

不思議な彼

「ソフィアお嬢さま、もうすぐ昼食の時間になりますが、お二人分をご用意すればよろしいですか?」
「えぇ、お願いするわ。アルベルトには、お世話になったの」
「わかりました、お嬢さま。詳しいことは後で聞きますからね、お嬢さまもお着替えください」

 ミリーに軽く睨まれる。きっと後からこってりと叱られるかもしれないと思いつつ、二階にある自室に行く。ここでは召使の数も限られているから、自分で着替えをしなくてはいけない。といっても、コルセットを絞る必要のない服を選んで置いてある。

(何を着ようかしら。アルベルトもいるから……)

 ソフィアはこころを浮き立たせながら、階段を昇っていった。





 ハイ・ウエストで切り返しのあるチューブ・トップ・スタイルの水色のデイドレスに白いボレロを合わせる。普段使いよりは少しおしゃれなドレスを着たソフィアは、着替え終わると階下に降りた。するとダイニング・ルームには既に浴室から出てさっぱりとしたアルベルトがいる。

< 21 / 231 >

この作品をシェア

pagetop