結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
「ありがとう、アルベルト。私、っあっ」

 待ちきれない、とばかりにアルベルトが唇を寄せる。後ろから肩を抱かれ、食むようにソフィアの唇に柔らかく口づけると、舌先がするりと入り込んでくる。いつもより甘いキスに蕩けるように目を閉じると、アルベルトはより一層身体を密着させてきた。

「ソフィア、愛しているよ」
「私も」

 二人を包み込む熱は、冷めない愛を確かめ合うように分かち合う。この夜、再び身体を繋げ合ったソフィアとアルベルトは、お互いの手をもう離さないと誓いあい——、ソフィアは瞼を閉じた。





 別荘での暮らしが一か月もたつと、ソフィアの暮らしは様変わりしていた。エルーサに任されていた雑貨店の店番は、かつてのソフィアと同じように子どもを一人で育てる女性に任せ、住まいも譲る。今はリヒトの世話をしながら日々、ナード糸のレース編みをして過ごすことが多い。

 ミレーの采配によりかつてのように通いの料理人や召使いも増え、リヒトの子守りを兼ねた家庭教師も雇う。ソフィアが気がついた時には、真新しい絹の洋服がクローゼットいっぱいになり、宝石のついた髪飾りが並べられる。すべてアルベルトからのプレゼントだった。

「おかえりなさい、アルベルト」
「ただいま。僕のかわいい奥さん」

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