結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
アルベルトは注意するが、ソフィアは新鮮な空気を吸いにバルコニー出た。今夜は満月が空に浮かんでいる。以前は満月を見るとどうしてもアルベルトを思い出して辛くなっていた。だが、今はもう切ない気持ちになることもない。
ソフィアが佇んでいると、そこに真っ赤なドレスを着た女性が近づいて来た。
「ごきげんよう、ソフィア様」
そこには六年前とは変わらぬ美貌のローズが立っていた。美しく流れるストレートの金髪に長いまつげが影をつくる。唇にはドレスと同じ燃えるような紅色が塗られ、美しさを際立たせていた。
「あなたは……、ローズ様?」
遠い記憶を手繰り寄せる。どう見てもアルベルトを騙したローズがそこにいた。彼女は隣国へ返されたはずなのに、どうして今ここにいるのだろうか。疑問がそのまま顔に出るが、ローズは気にすることもなく話始めた。
「えぇ、ローズよ。アルベルトは元気? あなた、男爵令嬢なんて言っているけど、少し前まで平民と同じ暮らしをしていたんですってね」
棘を含む言葉をソフィアに浴びせ始めると、高揚してきたのか尊大な態度を取り始めた。アルベルトが一人になるな、と忠告していたのはこのことだったのかもしれない、そう思うけれどバルコニーの入り口はローズの後ろになる。
ソフィアが佇んでいると、そこに真っ赤なドレスを着た女性が近づいて来た。
「ごきげんよう、ソフィア様」
そこには六年前とは変わらぬ美貌のローズが立っていた。美しく流れるストレートの金髪に長いまつげが影をつくる。唇にはドレスと同じ燃えるような紅色が塗られ、美しさを際立たせていた。
「あなたは……、ローズ様?」
遠い記憶を手繰り寄せる。どう見てもアルベルトを騙したローズがそこにいた。彼女は隣国へ返されたはずなのに、どうして今ここにいるのだろうか。疑問がそのまま顔に出るが、ローズは気にすることもなく話始めた。
「えぇ、ローズよ。アルベルトは元気? あなた、男爵令嬢なんて言っているけど、少し前まで平民と同じ暮らしをしていたんですってね」
棘を含む言葉をソフィアに浴びせ始めると、高揚してきたのか尊大な態度を取り始めた。アルベルトが一人になるな、と忠告していたのはこのことだったのかもしれない、そう思うけれどバルコニーの入り口はローズの後ろになる。