結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
彼女など無視して会場に戻ろうかと思うが、ソフィアやアルベルトが苦しんで来た元凶を作り出したのは紛れもしない彼女の仕業だ。ソフィアはぎゅっと両手を握りしめた。
「それがどうかされましたか? あなたに何か関係するかしら」
まさかソフィアが強気で反撃するとは思っていなかったのか、ローズは「うっ」と怯む。
「なによ、生意気に私にたてつくつもりなの。本当はアルベルトの妻になるのは、私だったのよ」
「どうしてそんなことを言えるの? 六年前に恋人同士だったのは、私なのよ。あなたも良く知っているでしょ」
「なにをっ!」
ローズは急に怒りだすと、美しい顔が醜く歪ませた。同時にソフィアの方へ手を伸ばして近づいて来る。
「うぁっ」
ローズの冷たい手がソフィアの首にかかる。まさか、首を絞められると思わなかったソフィアは押し倒されてバルコニーから落とされそうな姿勢になった。さすがにここから落とされたら、ひとたまりもない。
「やっ、やめて」
「あんたさえ、あんたみたいな泥棒がいなければ!」
女性とは思えないほどの力で絞めてくる。ローズの両手を握るけれど、力が入らなくなっていく。息ができなくなり、バルコニーから肩が出て目を開けると夜空が見える——。
今夜は満月だなんて。満月の夜までにアルベルトが来てくれるって、助けて、アルベルト——!
「そこまでだ、ローズ」
「それがどうかされましたか? あなたに何か関係するかしら」
まさかソフィアが強気で反撃するとは思っていなかったのか、ローズは「うっ」と怯む。
「なによ、生意気に私にたてつくつもりなの。本当はアルベルトの妻になるのは、私だったのよ」
「どうしてそんなことを言えるの? 六年前に恋人同士だったのは、私なのよ。あなたも良く知っているでしょ」
「なにをっ!」
ローズは急に怒りだすと、美しい顔が醜く歪ませた。同時にソフィアの方へ手を伸ばして近づいて来る。
「うぁっ」
ローズの冷たい手がソフィアの首にかかる。まさか、首を絞められると思わなかったソフィアは押し倒されてバルコニーから落とされそうな姿勢になった。さすがにここから落とされたら、ひとたまりもない。
「やっ、やめて」
「あんたさえ、あんたみたいな泥棒がいなければ!」
女性とは思えないほどの力で絞めてくる。ローズの両手を握るけれど、力が入らなくなっていく。息ができなくなり、バルコニーから肩が出て目を開けると夜空が見える——。
今夜は満月だなんて。満月の夜までにアルベルトが来てくれるって、助けて、アルベルト——!
「そこまでだ、ローズ」