結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
 アルベルトは返事を聞いて破顔すると、いきなりソフィアの脇に手を入れた。嬉しそうに「やった!」と言いながら彼女の身体を持ち上げてクルクルと回り出す。

「きゃぁあ! アル! 目が回っちゃう!」
「ははっ、ソフィア! 嬉しいよ、こんなに嬉しい気持ちになるなんて……」

 目が回る前に回転を止めたアルベルトは、砂浜にソフィアを降ろすと再び真剣な顔をして、ソフィアを食い入るように見つめはじめた。

「ソフィア、君は僕の光だ。君がいれば、前を向いて歩いて行ける。ずっと僕の傍にいて欲しい」
「アルベルト、……私もあなたの傍にいたい」

 夕日が水平線の上にかかり、だんだんと沈んでいく。アルベルトの肩越しに夕日を見たソフィアは、太陽が沈む様を見ることができなかった。その景色を楽しみにしていたはずが、ソフィアはずっと目を閉じてアルベルトの唇を受け止めていた。

 長い時間をかけて重ねた唇の熱は、なかなか冷めることはなかった。





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