結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ～裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ～

嵐の日

ミリーは朝から用事があるといって、少し遠方の知人のところに出かけている。これまで紳士的な態度を崩さないアルベルトを見てすっかり信用しており、最近は部屋にいることも少なくなっていた。

「どういたしまして。どこかに飾って貰えると嬉しいから、一旦持ち帰って額縁をはめてから渡すよ」
「せっかくだから、この部屋に置こうかしら」

　光の当たり方も、部屋の家具もこの部屋独特の雰囲気が良くでている。ソフィアは額縁のついた絵が届き次第、壁にかけることにしてアルベルトにお礼を伝える。

「アル、これは私からなんだけど……、ストールとハンカチなの。ストールは女性の方が喜ばれるかもしれないけど、ハンカチはあなたが持てるように名前を刺繍してあるわ」
「ソフィア、僕の名前をこんなにも丁寧に刺してくれたんだね、ありがとう」

　アルベルトはハンカチを広げて刺繍したところをじっくりと見た。日に透かすと、ソフィアの名前が浮き出るように隠し刺繍をしてあることを伝えると、嬉しそうに目を細めた。

「二人がいつも一緒にいるようだね、嬉しいよ。ソフィア、少し話をしてもいいかな」