結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ～裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ～

「ミリーさんは、知人の家に行ったんだよね。だったら、きっとそこにいるから大丈夫だよ」
「でも、無理して帰って来ようとして、どこかで怪我でもしていたらどうしよう」
「大丈夫だよ、この辺りの人は台風の時に外出しないように徹底しているから」

　アルベルトがいてくれて良かった。一人で別荘に残ることになっていたら、心細くてたまらなかっただろう。

　日が落ちて暗くなると、二人は部屋に灯りをつけて嵐が通り過ぎるのを待っていた。すると突然雷鳴がとどろき、ドン、とどこかに落ちる音がした。

「きゃぁああ！」
「ソフィア」

　思わず隣に座るアルベルトに抱き着くと、彼は手を肩に回して抱き寄せた。

「大丈夫だよ、僕がいるから」

　雨も風も雷も、アルベルトがいると不安も徐々に消えていく。背中をやさしく撫でる手が心地いい。

「アルベルト、一緒にいてくれてありがとう。一人でいたら、怖くてたまらなかったと思う」
「ソフィア……」

　見上げるとすぐ傍にアルベルトの顔があった。お互いに熱を持った視線が絡み合うと、顎を持ち上げられる。

「いい？」
「アル、いつもは何も聞かないのに」