結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
ドク、ドクと心臓が早打ちする。久しぶりに見る彼は、黒に金糸で刺繍のされた豪奢なフロックコートを着ていた。白いクラバットに紺碧のピンをつけ、いかにも上品な侯爵子息であることが一目でわかる。
(本当に、貴族だったのね)
ソフィアが会っていた時のアルベルトは、いつもシンプルな服装ばかりだった。今の貴族然とした姿を見ると違和感はあるものの、こちらが本来の彼の姿なのだろう。一分の隙もなく上品で優雅に立って談笑している。
ソフィアは声をかけようとして近づくと、思いもしない光景が目に入ってくる。
彼は一人ではなかった。アルベルトは隣に立つ女性の腰を親しそうに抱き、目の前の人物に紹介している。女性は金色に輝くストレートの髪を垂らし、流行のワンショルダーの白いマーメイド・ドレスを着こなしていた。ピンクパールの髪飾りをつけて、白く輝く肌に少しつり目気味だが長いまつげのぱっちりとした瞳をしている。赤いルージュがアクセントになって美しさを際立たせていた。
「ほら、あの新しくヘザー侯爵の跡取りになった方、見ました? あんな美丈夫だなんて、知らなかったわ」
(本当に、貴族だったのね)
ソフィアが会っていた時のアルベルトは、いつもシンプルな服装ばかりだった。今の貴族然とした姿を見ると違和感はあるものの、こちらが本来の彼の姿なのだろう。一分の隙もなく上品で優雅に立って談笑している。
ソフィアは声をかけようとして近づくと、思いもしない光景が目に入ってくる。
彼は一人ではなかった。アルベルトは隣に立つ女性の腰を親しそうに抱き、目の前の人物に紹介している。女性は金色に輝くストレートの髪を垂らし、流行のワンショルダーの白いマーメイド・ドレスを着こなしていた。ピンクパールの髪飾りをつけて、白く輝く肌に少しつり目気味だが長いまつげのぱっちりとした瞳をしている。赤いルージュがアクセントになって美しさを際立たせていた。
「ほら、あの新しくヘザー侯爵の跡取りになった方、見ました? あんな美丈夫だなんて、知らなかったわ」