結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
二人の笑いが一息ついたところで、青年は木炭を置くとソフィアの方を向いた。
「ところで、良かったら君の名前を教えてくれるかな」
「私? 私はソフィアよ」
聞かれたので思わず答えてしまうが、相手が何者かわからないのに伝えてしまった。大丈夫かしら、と思ったのが顔に出ていたのか、彼も「ごめん、僕も自分から名乗らないとね」と言ってハンカチで手を拭きながら名前を教えてくれる。
「僕はアルベルト、アルって呼ばれている。絵描きだって言いたいところだけど、まだ絵描きの卵って感じかな」
アルベルトは男性らしく、スッと手をソフィアの前に出してきた。
(ん? これって、あの流行しているっていう握手なのかな)