結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
重いため息をついたソフィアは、アルベルトの宿泊するホテルへと向かった。セイリュースで一番高級な白亜のホテルは、丘の上に建ち街全体を眺めることができる。
ソフィアは重い足取りで坂道を登っていくと、額からは汗が流れ落ちてくる。やはり化粧などしなくて良かったと、汗を拭きながら思わず笑いが漏れるのだった。
ソフィアはホテルに到着すると、アルベルトのいる庭園のテラス席に案内された。
「アルベルト様、今日からよろしくお願いします」
「あぁ、おはよう」
まずは話をしたいと言われ、二人は向かい合うように座った。今日のアルベルトは白いシャツに襟の立った青いベストを合わせ、首には灰色のクラバットを巻いている。ベージュのズボン姿は、かつてのアルベルトを思い起こさせた。
「今日は軽装なのね」
「あぁ、君に街を案内してほしくて着替えておいた。貴族然とした恰好だと、浮いてしまうだろう? それとも、他の格好の方が良かったかな」
「……いえ、今のような服装で良かったです」
アルベルトの六年前の姿を思い浮かべて、ソフィアは目を細めた。あの時に比べると、アルベルトもさすがに年をとっただけの貫禄がついている。もう、ふらふらと浮足立ったような若者ではない。
「ソフィア殿も、今日のような姿で頼む。あまり派手な恰好の女性は好きではないんだ」
「あ、はい」
ソフィアは重い足取りで坂道を登っていくと、額からは汗が流れ落ちてくる。やはり化粧などしなくて良かったと、汗を拭きながら思わず笑いが漏れるのだった。
ソフィアはホテルに到着すると、アルベルトのいる庭園のテラス席に案内された。
「アルベルト様、今日からよろしくお願いします」
「あぁ、おはよう」
まずは話をしたいと言われ、二人は向かい合うように座った。今日のアルベルトは白いシャツに襟の立った青いベストを合わせ、首には灰色のクラバットを巻いている。ベージュのズボン姿は、かつてのアルベルトを思い起こさせた。
「今日は軽装なのね」
「あぁ、君に街を案内してほしくて着替えておいた。貴族然とした恰好だと、浮いてしまうだろう? それとも、他の格好の方が良かったかな」
「……いえ、今のような服装で良かったです」
アルベルトの六年前の姿を思い浮かべて、ソフィアは目を細めた。あの時に比べると、アルベルトもさすがに年をとっただけの貫禄がついている。もう、ふらふらと浮足立ったような若者ではない。
「ソフィア殿も、今日のような姿で頼む。あまり派手な恰好の女性は好きではないんだ」
「あ、はい」