記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
お父様達はお爺様の目をすぐに逸らした。
それは間違いないという答えだった。
あの時、私は必死に懇願した。
私はやっていない、信じて…と。
だが、誰一人としてこの家族は私の言葉を信じてはくださらなかった。
むしろ私を罵り、私の言葉などには耳を傾けず、私を罵倒し、暴力を振るい続けた。
身も心もボロボロに傷ついた私は家出をすることにした。
それしか…自分のことを守れないから。
まあ結局…戻ってきてしまったけどね。
「お主らが犯したことは言い逃れができないほど明白だ。お主らにくだす処罰は…王位を剥奪し、今後一切キャベンを名乗らず、関わらないこと。いいか?」
そう言ったお爺様に私は空いた口が塞がらなかった。
お爺様がくだした処罰はお父様達3人は今後、キャベンを名乗ることはできず、また関わることを許さない。
そして…全てを私に託すということだ。
私がこの国の国王…女王となるということだった。
「お爺様それは…っ!」
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