記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
番外編 誰も知らない物語

📖番外編1 たった一人の妹📖


バルーンside

俺の名はバルーン・ウル・キャベン。
この国の次期王となる王位継承権を持っている。
そんな俺にはたった一人の妹がいる。
小柄で華奢、そして真っ白な肌。
輝くような金色の髪に水色のキラキラした瞳。
「お兄様!」
いつも愛らしい笑顔で俺を呼んでいた。
そんな妹の名はシュティーナという。
シュティーナは俺にとってたった一人の大切で愛らしい妹だ。
だが両親は違った。
両親は俺のことを可愛がり、それはそれはたくさん褒めてくれた。
どんなにできが悪くとも怒らず、ただ「頑張った、偉い」それしか言わなかった。
それに比べ、妹のシュティーナは違かった。
一度も…たったの一度も両親に褒められたことがない。
それどころか邪険にされ、必要最低限のものしか買ってはもらえなかった。
どんなにいい結果をだしても両親は一度もシュティーナのことを褒めはしなかった。
母は勉学、父は剣術…そして俺は魔法が得意だった。
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