記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
『ミホ…』
『クロさんの好きなもの、嫌いもの…いろんなことが知りたいです!だからクロさん…教えて、頂けますか?』
感情があまりにも高ぶって言ってしまった。
本当は言うつもりなんてなかったのに!
恥ずかしい……っ!!
穴があったら入りたい!
『ミホ、ありがとう』
『へ?』
お礼を言われることなんて言ったっけ?
特に心当たりないけどな…。
『俺のこと知りたいって言ってくれてありがとう。ミホ、目…瞑って』
『…? はい』
私はよくわからないがクロさんの言う通りに目を瞑った。
少しすると首に何か冷たい感触があるのがわかった。
『目開けていいよ』
私はゆっくりと目を開ける。
そしていまだに冷たい感触が残る首元を手で触った。
すると、チェーンみたいな金属系のものだとわかった。
私はすぐに首元にあるのを確認した。
『クロさ…、これっ…』
そこにあったのはクロさんと1番最初に見た屋台で私の目に止まった淡い水色のお花をモチーフにして作られたネックレスだった。
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