記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
📖ドラゴン📖
そこに現れたのはドラゴンだった。
「なんでこんなところに…」
ドラゴンがこんなところに出てくるなんてないはずなのに…!
「皆さん、逃げてください!」
でもどこに逃がしたらいい?!
考えなきゃ…!
急に頭がズキンと痛みだした。
「なんで…こんな時に…っ」
ズキンズキンと…頭が重い。
頭の中に何かが入ってくる。
『…ナ!貴方は本当に…』
これはなんの記憶?
私の記憶…?
「わた…しはっ」
私は誰なの?
苦しい…っ!
「…ホ!ミホっ!」
苦しみから私を救ってくれたのはクロさんだった。
「…クロ、さ…っ」
私は今にも消えそうな声でクロさんの名前を呼んだ。
「ミホ、大丈夫か?」
クロさんは私を心配そうに見つめている。
私の頭の中でまた声がした。
『この国を…守って…』
このままじゃダメ。
『私の大切な国を…守って!』
私の中からぶわっと魔力が溢れた。
「クロさん、もう大丈夫です。ドラゴンを倒しましょう」